仏法三十二相

実際に仏教経典に書かれている三十二相というものを検索して調べると、ほとんどは仏の身体に具わっている三十二種類のすぐれた特徴を持つ仏の姿の相(形)であると説明されています。それにより仏とはそういう姿かたちをしているのかという意外なイメージを新たに感じ得ることができます。


ところで、さらに聞くところによるとかなり古代、それも地球が創生された頃からすでに仏は存在し、その頃の仏の姿といえば身体はずっしりと大きく、頭が鬼の角のように尖って盛り上がり、目鼻立ちが不気味なほどに大きく、口から長い舌を伸ばして話しかけるような、だいぶ想像もつかない形相をしていて、それを見たなら体が完全に金縛りになって腰が抜けてしまうような特徴を仏の三十二相というらしいです。 

しかし、どうしてそんな恐ろしい怪物や化け物のような特徴をしているのが私たちが普段拝んでいる仏様なのだろうか?と素朴に考えて脅威と半信半疑な感覚も同時に持っているうちに、やはりそれが良いんだ、それが古くから真実の教えだったんだと改めて納得するようになっていくのです。実はそれが初歩的に導かれ正しく仏教を受持して理解する基本的な入門ということになるのです。しかし、仏教が世界的に認識されていくうちにつれ徐々に時代は仏様のお姿とはとても慈悲深く優しいものだという新たな認識や描写が増えていったということのようです。

ところで、私がこの古代の仏の三十二相の32という何ともしっくりこないような数値になぜか身近で不思議な想いを起こさせてもらえたことがとても幸運に思える一つなのです。
私が住んでいる新潟県の越後平野を日本海に沿って縦断するような形でJR越後線が走っています。その全長約84キロメートルあるという全区間の位置は今になってわかることですがフォッサマグナという古代紀の大規模な地殻変動で新たに浮上した陸地部分の只中にそのままスッポリ全区間が丁度入るところに越後線は走っていたのです。

この線路が敷かれ出したのは大正初期からで、すでに100年以上の歴史がありますが、その間に私は特に高校時代は毎日この越後線に乗り片道1時間くらいで通っていました。それから半世紀が過ぎようとしてますが当時の面影はほとんど同じままで今乗車しても何ら時の変化が感じられないのは車社会への大きな時代変化に対応しようともしなかった何とも頼もしく感じられることであり、大正初期の路線開業時のそのままだという意味を教えてくれるかのように思えます。それが何とも意味深く思えてくることが実は大変重要なカギだったのです。

この越後線全線の駅の数は全部でどれくらいかと思い付いたのが私が50歳を過ぎてからであり、法華経は個人的に解読できるものだと思い付き始めて8年位経った頃でした。実は法華経は全部で28品つまり28章で構成されているのですが、ひょっとしたらその数くらいが越後線の全部の駅の数くらいではないかと思って照らし合わせたところ越後線はその時点では全部で32駅だったのです。つまり法華経の28に対して4駅多いわけです。それはどのように考えたら良いかと思っているうちに実は法華経には関連して法華三部経と呼ばれているものがあって法華経に対する開経と呼ばれる『無量義経』の三品と結経と呼ばれる『観普賢菩薩行法経』の一品が法華経の前後に付属してセットされたものであることに偶然、気付きました。つまり法華経28品の前後に付属した4品を加えると全部で32品つまり越後線32駅とぴったり数が一致したのです。そして、なお不思議なことにこの法華三部経の32品全部の漢原語の一文字ずつをすべて総合すると約8万4千文字、何とそれが越後線の全区間距離の84,000mともズバリ一致していることを新たに知ったのです。

越後線は大正時代の開業当時、全線区間で25駅くらいだったものが戦後しばらくして徐々に増えだして32駅になったのが今から30年近く前だったようです。それはそもそも偶然の数だったのでしょうが、これが古き良き時代の三十二相だと私はつい考えたくなったのです。

ところが、私がそれを思いついて数年経った令和7(2025)年3月15日、新たに新潟駅と白山駅の間に「上所駅」という新らたな駅が開業したのです。しかし、越後線は今やマイカー主流時代に追いつけず、すでに赤字路線化して久しいのに今どき何故だろうと思っていましたが、県庁所在地の新潟市中心地としてこれから繁栄が見込まれると共に何といってもこの新駅付近の高校生の登下校の利便に欠かせないということらしかったのです。今まで三十二相だった越後線駅が今になって三十三相に変身したということは仏教に照らしてどういう意味が考えられるのか?その三十三とはやはり現代を象徴する仏教の数値だと思えませんでしょうか?私の仏教探求の旅はますます普段、 この私の家のすぐ近くを走り続けているJR越後線に関心を持ち続けたくなったのです。さあ、皆さんも古代三十二相から現代三十三相への地域仏教の変化の旅をご一緒してみませんか?

JR越後線 分水駅
~私の住む町~